仕事をしていて、こんなふうに感じることはありませんか?
「普通は、こうするでしょう」
「上司がもう少しわかってくれたら」
「部下がもっと動いてくれたら」
「どうして自分ばかり……」
職場では、自分の思い通りにならないことがたくさんあります。
人間関係、評価、仕事量、会社の方針、予期せぬトラブル。
そして、自分が思い描いていたことと現実との「ズレ」が大きくなるほど、イライラやストレスにつながることがあります。
たとえば、
Should:~すべき
「普通はこうするべき」「上司ならこうあるべき」
Want:~してほしい
「もっと評価してほしい」「部下に自分から動いてほしい」
Envy:人との比較
「どうしてあの人ばかり評価されるのだろう」
こうした感情を持つこと自体は、決して悪いことではありません。
大切なのは、その感情に振り回されるのではなく、
「あ、今の私はこう感じているんだ」
と、まず自分の状態に気づくことです。
そして、ここからが仕事を動かせる人と、環境が変わるのを待つ人との分かれ道です。
「誰かが変わる」ではなく、自分が動かせる1ミリへ
仕事がうまくいかないとき、私たちはつい外側に原因を探します。
「上司が変わってくれたら」
「会社がもっと考えてくれたら」
「部下が自分から動いてくれたら」
もちろん、組織側が改善すべき問題もあります。
でも、相手や環境が変わることだけを待っていたら、自分の仕事のハンドルまで相手に預けることになります。
そこで、自分に問いかけてみる。
「この状況の中で、私が動かせることは何だろう?」
私はこれを、
「1ミリ作戦」
と呼んでいます。
大きな改革をする必要はありません。
会議で一度だけ自分の意見を言ってみる。
後回しにしていたメールを一本送る。
上司に相談してみる。
部下に「どう思う?」と聞いてみる。
企画書を1ページだけ進める。
業務改善のアイデアをひとつ提案してみる。
ほんの少しだけ、昨日とは違う行動を選ぶ。
そして、
「今日、自分はひとつ動いた」
という小さなガッツポーズをつくる。
これが、私の考える「小さな勝利」です。
主体性は、大きな行動から生まれるわけではない
企業研修をしていると、
「もっと主体的に動いてほしい」
「指示待ちではなく、自分で考えて行動してほしい」
というご相談をいただくことがあります。
でも、私は主体性とは、いきなり大きな決断をしたり、目立つ成果を上げたりすることではないと思っています。
自分で考え、自分で決め、小さくても行動に移す。
その経験を積み重ねることが、主体性を育てていきます。
「自分の提案が採用された」
「自分から声をかけたことで仕事が進んだ」
「昨日より少し効率よくできた」
「失敗したけれど、次の改善策を考えられた」
こうした小さな成功体験が、
「自分の行動で、状況を少し変えることができる」
という自分自身への信頼につながります。
自信があるから動くのではなく、動くから自信が生まれる
新しい仕事や役割を任されたとき、
「まだ準備ができていない」
「失敗したらどうしよう」
「もう少し経験してから」
と不安になることがあります。
でも、最初から自信を持って新しいことに挑戦できる人ばかりではありません。
むしろ、
自信がついたら動くのではなく、動いた経験から自信が育っていく。
昨日より1ミリでも前へ進めた。
「やろう」と思ったことを実行できた。
その経験が、
「私は、自分で考え、決めたことを行動に移せる」
という自己信頼につながっていきます。
そして、その自己信頼が、次の挑戦への力になります。
成長する組織には「小さな勝利」がある
これは、個人だけの話ではありません。
一人ひとりが、
「会社がやってくれない」
「上司が変わらない」
「部下が動かない」
で止まるのではなく、
「では、自分にできることは何だろう?」
と考えられる組織。
そして、その小さな挑戦を周囲が認め、
「いいね」
「やってみよう」
「次はどうしたらもっと良くなる?」
と応援できる組織。
そこには、行動する人が育つ土壌が生まれます。
だからこそ、心理的安全性も大切です。
失敗を恐れて何も言わない組織では、新しい行動は生まれにくい。
安心して意見を言える。
新しいことを提案できる。
失敗しても、そこから学び、次の行動を考えられる。
心理的安全性のある環境と、一人ひとりの主体性。
この両方があってこそ、人と組織は成長していきます。
「決めたら、動く」人が、組織の未来をつくる
仕事では、思い通りにならない日もあります。
評価されない日もある。
失敗することもある。
人間関係に悩むこともあります。
そんなときこそ、
「では、私はどうしたい?」
と、自分に問いかけてみる。
物の観方を味方にする。
自分の感情に気づく。
自分の言葉で「どうしたいか」を言語化する。
そして、
決めたら、動く。
たった1ミリでいい。
その小さな行動を、一人ひとりが積み重ねていく。
やがてその1ミリが、チームを変え、組織を変え、成果へとつながっていきます。
人がいきいきと育つ組織には、仕組みがあります。
アマーイズでは、研修を「学んで終わる時間」ではなく、一人ひとりが自分の言葉で考え、次の行動を決め、職場で実践するための時間と捉えています。
人を変えようとするのではなく、一人ひとりが自ら気づき、自ら決め、自ら動き出す。
組織の未来を変える一歩も、今日の「1ミリ」から始まります。